ミナミの帝王14巻 – ツケの時効と民法第397条

ミナミの帝王14巻

近所の飲み屋などで常連になると”ツケ”といってその場はお金を払わずに後で払うことがありますよね。この”ツケ”ですが、いつまでに払わなければならないか知ってますか?逆に、ずっと”ツケ”を払わずにいると時効が成立して払わなくてもOKになるのでしょうか?

ミナミの帝王でまさにこの状況を描いた話があります。

行きつけのスナックでツケを払わずに放っておいた、とある町工場の社長の話です。この社長はなんと400万円のもツケを溜めており、スナックのママは資金繰りが厳しくなって、早く払ってくれないと困ると言います。

「来月になったら払うるわ」と言われ続け、そのまま1年近く経過します。そこでミナミの帝王こと萬田銀次郎に相談すると、「ツケは1年間払わずにいると時効になるんやで」と聞かされます。

これを聞いて焦るママ。「早く400万円返して!」とお願いすると「絶対払わん!」と社長が逆ギレし、「この偏屈ババァ!」とまで言われてしまう。ママは悔しくなり、銀次郎に泣きつきます。

銀次郎「じゃあワシが取り立てたりますわ。そのかわり、儲けは折半でっせ!」

銀次郎の描いた絵の通り、ママは芝居を打ちます。「この前はごめんなさい、お詫びに飲みにいらしてください、もちろんお代は要りません」と社長を誘うと、ただ酒ならいくらでも飲んだるでーと乗ってきます。

ママは社長がいい気分になったところを見計らいカラオケのデュエットに誘います。そして店の女の子たちの前で「社長さん、いつになったらツケを払ってくださいます?」と尋ねると、「こんな時にそんなこと言わんでもええがな。(どうせ時効だし)来月払うたる!」と言わせることに成功します。

一か月後、また誘われた社長がスナックへ行くと銀次郎が待っています。そこでもう一度ツケを払うようにお願いするママ。

「ツケは昨日で時効が成立しとるんや!法律で払わんでええ…ちゅうとるツケを誰が払うんじゃい!」

という社長に対し、

「あんた前回この店で『借金は来月払うたる』て言うたそうでんなあ。それで時効は消えましたわ。ツケを支払う意思があることを相手に通告した場合『時効の利益の放棄』になりまんねや!自分の時効の権利を捨てたでんがな。そうなったら『…以後、時効の利益を主張することは信義則に照らして許されないと解するのが相当である…』と判例も出てま。おんどれは二度とツケの時効なんか口にでけへんちゅうこっちゃ!」

確かに判例もあり、民法第397条にこう記載されています。

民法第397条(低動不動産の時効取得による抵当権の消滅)
債務者又は抵当権設定者でない者が抵当不動産について取得時効に必要な要件を具備する占有をしたときは、抵当権は、これによって消滅する。

自分を守ってくれると思っていた法律が、逆に自分を追いつめることになる社長。日本という国は法律に強い人間には有利な国だという教訓ですね。

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