ミナミの帝王53巻 – 早きことを旨とすべし!

ミナミの帝王53巻

バブルの時代、土地の値段は上がり続けました。借金してでも土地を買ったほうがいいと信じられていた時代です。ミナミの帝王53巻に、とある大地主の話があります。(題名:夢のあとさき)この地主は銀行からある提案を受けます。

    ”提案内容”
     地主が今7世帯に貸している土地を地上げする。
     ↓
     まとめた土地は大手マンション業者が20億で買い取るという確約を得ている。
     ↓
     立ち退き料は1件につき2億円も出せば問題ない。
     しかも、その際の立ち退き料など経費15億円は銀行が融資する。
     ↓
     15億で地上げした土地を20億で売れるので差引5億円手元に残る。

『断る理由も見つからん 完璧な提案やのお…』 地主は心の中でそうつぶやきます。

確かにおいしい話です。地主が死んだときの相続税が2億円以上かかるという計算もあり、その際に土地を売却していた方が税金対策上も得策だということも理由にあります。そこで金主として付き合いのあった、ミナミの帝王こと萬田銀次郎に相談します。

地主「ワシも年をとった…この頭もだいぶ鈍っとる。萬田…お前の意見を聞きたいんやが…」
萬田「立ち退き料も売却先も銀行が用意する…一点の曇りもないええハナシでんな…」
地主「お前もそう思うか?」
萬田「ただ…」
地主「ただ…?」
萬田「世の中には”絶対”というモンはおまへんデ!!」
地主「ナニ…!?」
萬田「どんなにええハナシでも絶対はない…というコトだす」
地主「このハナシにも危険が潜んでる…というのか?」
萬田「どんなハナシにも危険は潜んでま。危険のない儲け話などはない…というコトだす」
地主「なるほど…」
萬田「天変地異やら体制の転換やら考えたら今の世の中何が起こるか想像も付きまへん」
地主「しかしそこまで考えたらナニも動きが取れンやろ…」
萬田「そうだす。そやからもしこのハナシに乗るなら一番大事なことは…スピードだす!」
地主「スピード!?」
萬田「ナニも条件が動かんうち…変化のないうちにすべてを終了させる…」
萬田「早きことを旨とすべし…! だす」
地主「スピードか……肝に銘じとこ!」

そして、地主はこの話に乗ることに決めます。

立ち退き料として2億円ももらえるとなれば、どんなに愛着がある家でも出ていく人が普通です。地主は順調に地上げを進めていったのですが、最後の1件が「絶対にこの家からは出ていきません!」とごねます。お宅だけ特別に3億出すから、どうか立ち退いてほしいとお願いするものの、相変わらずのNOの返事。

どうして。。。

そんなこんなで最後の1件との交渉が進まないまま数ヶ月経ちます。地主はまた萬田銀次郎に相談します。

銀次郎は舎弟の竜一に、どうして立ち退かないのか理由を探らせます。そして分かったのは、父親が末期癌という事実。つまり、もう長くない父親を、どうせなら自宅で往生させてあげたいという思いからでした。この末期癌の父親とは古い仲だったにもかかわらず、それに気づかずにいた地主は自分が情けなくなります。そして心からお詫びをします。すると、ついに立ち退きを認めてくれました。

地主は土地がまとまったと銀行に報告しにいきます。しかし、時すでに遅し。バブルが崩壊した後だったんです。土地の値段は下がり、15億どころか10億でも買い手がつかない状況になりました。

ミナミの帝王53巻の教訓

最終的には3億円で競売にかけられた土地を息子の経営する会社で4億円で買い取り(これを任意売却という)、相続税を払うことなく遺産(土地)を息子に渡すという裏ワザで解決する話ですが、「早きことを旨とすべし!」これは、どんな分野でも共通する名言ですね。

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